抜き荷重(トン数)の計算

 プレス機は、機械毎に許容抜き荷重が異なります。
 下記の計算式にて抜き荷重を計算し、プレス機の許容抜き荷重を超えないようにして下さい。


抜き荷重(ton)=

抜きの周長(mm)  板厚(mm) X 剪断抵抗(kg/mm
───────────────────────
1000

丸形状の場合

角形状の場合

直径X3.14(円周率)

(縦寸法+横寸法)X2

丸形状の周長の図

角形状の周長の図

周長=x 3.14

周長=()x 2

材質別剪断抵抗

材質

剪断抵抗
(kg/mm

SPC、SPH

26〜35

SS400

33〜42

ステンレス

52〜56

アルミニウム

 7〜16

18〜30

黄銅

22〜40

<計算例>

SPCC t=1.6の板にφ40の穴をあける場合
の抜き荷重は、

{ (40 X 3.14) X 1.6 X 31 }÷1000 = 6.23トン
 抜きの周長   板厚 剪断抵抗

となります。

荷重計算例題の図

1.鈑金加工でよく使用する計算式

ワンポイントアドバイス


 抜き荷重が、機械の許容荷重を超えた場合、

 1.パンチ刃先にシャ−角をつける。
  (シャ−角により10〜50%程度、抜き荷重を少なくすることが出来ます。)

 2.穴を分割して抜く。
  (追い抜きや複数の金型を組み合わせることにより、1ショット当たり
   の抜き荷重を減らす。)

 3.複数の穴を同時に抜く金型(多本針金型)の場合、各々のパンチの長
   さに差を付けることにより、シャ−角と同じ効果が得られます。

                           等の方法で抜き荷重の低減を行って下さい。

金型ステーションの選定


 金型ステ−ションの選定のためには、パンチ刃先外接円の直径の計算が必要となります。

長角形状

R付長角形状

長角形状の図

R付長角形状の図

刃先外接円の計算式

刃先外接円の計算式

ワンポイントアドバイス

 通常金型ステ−ションの選定は、上記計算より刃先外接円の寸法を求め、
 プレス仕様書のステ−ションサイズと比較して決定しますが、厚板を加工
 する場合はストリップミス等のトラブルの発生を防ぐために、1ランク上
 のステ−ションを使用した方が良い場合があります。

成形加工の下穴計算


 成形加工を行う際に、前加工として下穴を加工する場合があります。
 下記の計算式を参考に下穴を算出して下さい。

C面取り

バ−リング

C面取りの図

バ−リングの図

下穴 =

((x2)+)÷3

下穴 = +1.8 x −2 x

タップバ−リング

エンボス

呼び

内径

下穴

 M2.6

φ2.1

φ1.2

 M3

φ2.6

φ1.5

 M4

φ3.4

φ2.0

 M5

φ4.3

φ2.4

 M6

φ5.1

φ2.8

エンボスの図

上記表にない寸法は、

下穴 = 0.53 x 内径+0.1

下穴 = −(0.6−0.16 x )x

ワンポイントアドバイス

 下穴は成形形状が同じでもワ−ク材質・硬さなどによって異なります。
 上式を参考に試し加工を行い、適正な下穴を求めることをお勧めします。

よく使う三角関数

SIN(サイン)

COS(コサイン)

TAN(タンジェント)

三角形の図(SIN)

三角形の図(COS)

三角形の図(TAN)

sin α

cos α

tan α

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